いやはや、世に老舗と呼ばれる店は多いけれど、創業440年はいくらなんでも、歴史あり過ぎです。
織田信長が天下を取った天正年間に創業。
その後、二代目は豊臣秀吉に、四代目は徳川家康に召され、
江戸時代には、天皇献上香、茶道家元に銘香を納めるようになる。
現代に入ると、「銀座香十」として東京で香文化活動をしていたが、
2016年、京都の二寧坂にお店を出し、半世紀ぶりに里帰りしました。
というわけで、行ってみました「香十 二寧坂」店。
里帰りしたばっかりですからねー、老舗とは思えない真新しい店構え笑。
駅で言うと「祇園四条」ですかね。徒歩15分は歩くでしょうね。
店内は老舗と言えど、思った以上にカジュアル。
これはカジュアル過ぎませんか笑。
440年の歴史がまったく感じられません。いいのかな。
ニューオープンの京都のお土産屋さんと間違えられそう!
が、心配ございません。見てください、「伽羅飛鳥」5万4000円也!!
おわーーすごい、いきなり豪腕奮ってくる感じです。
が、もう一度ご安心ください。
ちゃんと庶民にも手が届くお手頃感のあるお香もたくさんあります。
「かゆらぎ」は40本入りで1080円。
香りの種類も「桜」「白桃」「薔薇」「柘榴」など、馴染み深いものばかり。
というか、お店の雰囲気もそうですが、ちょっと敷居が高そうなお香の世界を、
カジュアルダウンしたい意図がありそうです。
香りもそうですが、色もたくさん種類があってキレイですね。
お香というよりは、もはやアロマの世界。
練り香も「老梅」が1458円と全然手に取りやすい価格。
というか、お香ってものすごい高いイメージあったけどけっこう安いんですね。
壺も美しいし、これなら京都土産にもいいかも。
だいたい香り見本が付いてるのもありがたい。
織田信長や歴史上の権力者が東大寺正倉院にあった、香木「蘭奢待(らんじゃたい)」を
切り取った話なんか聞いて、お香ってものすごく高価なイメージが付いちゃったのかな。
ちなみに「蘭奢待」の中には「東大寺」が入ってます。雅名ですね。
香炉も美しいですねー。まさに日本の美。
こちらに陳列されているのは、九谷焼のもの。だいたい1万円くらい。
これまた意外に安いんですね。手が届くなー。
と、完全に「香十」のこの店のコンセプト「お香の世界をもっと手軽に感じてほしい」(たぶん)の
術中にハマってしまった。
服に香りを付けたり、室内にほんのり香るようにしたり、香水のように匂袋として持ち歩く、
なんてこともできて、いろいろ使い方があるってのも意外と知らなかった。
今度、機会があったら香席体験に行ってみたいと思ってしまいました。
香十、戦略がうまいですねー。さすが440年も生き残ってるだけのことある笑。
香十 二寧坂
京都府京都市東山区桝屋町349-8
075-551-0285
10:00~18:00