もう何回この本を図書館から借りただろうか(買えよ!)。
いや、全然買ってもいいんだけど、最初に図書館で借りちゃったからもう買えないんだけど、
数ある京都ガイド本の中で、間違いなく個人的一位の本です。いや、そのうちやっぱり買うかも。
その本の名は「おひとり京都の夏涼み」。
このブログで、京都ガイド本のコーナーを作ろうと思ったきっかけの本です。
というぐらいオススメの一冊。
京都ガイド本は本当に目に余るぐらい出てる。
が、そのクオリティたるや玉石混合。
そんなこと知ってるわ!とか、うーん上っ面だなーとか。
そんな中、是非とも読んでほしい一冊なのです。
何がいいって、その情報量の多さ。そして質の高さ。
情報量に関しては、紹介されているスポット、お店、びっしりです。
そしてその質たるや、まー普通のガイドブックではお目にかかれないお店、楽しみ方の提案、さらには、京都人がどう思っているか。
京都人の特性が的確に記されていたり、文化的背景など、素の京都人の目線で書かれているのが読み物として楽しい。
なので、京都の観光、グルメのガイド本でありながら、京都移住した人間には、京都という土地、人の考え方に触れることもでき、一挙両得なのだ。
もう一つ、いい点は「夏」でくくっていること。
このシリーズ、実は季節物で「秋編」や「春編」もある。
そりゃ秋や春はいいに決まってるじゃん。ってことになる。
京都の夏は暑すぎてちょっとオフシーズンなイメージ。
が、この本を読むと、うおーーこんなに京都の夏は楽しみ方がいっぱいあるんだ!ってことになる。
例えば「暁天講座」知恩院などで行われる、朝に説法やお話を聞くイベント。
そのまま朝粥いただける。さらにお昼に精進料理もいただける。これは知らなかった!
また、夏の京都観光ではガイド本に必ず載っている貴船の川床。
が、著者はこれを、まるで昔の旅館料理のように、出来上がった料理を出すだけで、たいして美味しくないとバッサリ。
それなのに料金は割高。実際1万円ぐらい。
こんなものを京都人はありがたがって食べたりはしない。
と言って、「ひろ文」の流しそうめん1300円をオススメするあたりはもはや痛快。
ちょっと普通のガイドブックではなかなかお目にかかれないイベント、グルメ情報がたくさん。
鱧や鮎について、はしり、旬、なごりなど文化的な側面からアプローチしたグルメ情報も楽しい。
京都人の捉え方、東京人(江戸っ子)の捉え方の違いなど考察している点もおもしろい。
他、祇園祭や五山の送り火といった有名イベントの京都人的見方、
京都人に長年住んでいなければ、なかなか知り得ないお店や情報が満載。
著者の柏井壽さんは京都ガイド本の第一人者。
なかなかの多筆家で、京都ガイド本を出すペースも早ければ、小説「鴨川食堂」の著者でもある。
お店やスポットを紹介することの罪悪感もちょいちょい見え隠れするあたりも好感が持てる。
この本、マジで買いです(買ってないけど)!
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