お気づきのかたもいらっしゃるかと思いますが、当方、司馬遼太郎好きです。
司馬遼太郎の本、つまり歴史小説を読んで京都を歩いていると、
おお、ここを坂本龍馬も歩いたんだろうなーとか、
おーここで幕末の志士たちが宴会してたのか、
など楽しいことこの上ないのですが、そんな中でもかなり珍しいパターンが「亀屋陸奥」の松風。
がっつり小説内に商品名出てますから。
その登場の仕方も、田舎者が京都の洗練された和菓子「松風」を出される、
ってパターンが多く、いかにも上品極まりない都の食べ物って感じで登場するので、
司馬遼太郎ファンとしては、なんとしても食べてみたい、と思っておりました。
というわけで行ってきました「亀屋陸奥」。
西本願寺の向かい、堂々たる建物です。ていうか佇まいからすでに上品です。
京都駅から徒歩15分くらいですかね。
京都駅からバスなら、市バス⑨番で七条堀川下車。バス停降りてすぐです。
看板には店名よりも「松風調進所」の文字が大きく。
もはや松風あっての亀屋陸奥。
織田信長と石山本願寺の戦のさなか、兵糧代わりに生まれたのが「松風」。
ちなみに店名の由来は、豊臣秀吉が聚楽第の池に浮かべて興じていた檜造りの亀を手に入れたこと、
陸奥の大掾の御宣旨を賜ったため(和菓子屋さんなのに?)、だそうです。
店内の額縁もどーーんと「松風」。
どこまでも松風オシ。
誰が書いたものなんでしょうか。
もちろん「松風」以外もたくさんの和菓子があります。
いまは残念ながら興味ないっ!
はい、これが松風です。
松風だけ陳列も別格の扱い。
シンプルな包装が歴史ファンにはたまりません。
化粧箱に入った贈答品用ももちろんあります。
ついに。松風が目の前に!
司馬遼太郎の「燃えよ剣」では、西昭庵という料亭の茶室で、
土方歳三がお雪という恋人と会った時に出てきます。
西昭庵には、茶室がある。
そのあと、お雪は、炉の支度などをして、歳三を読んだ。
歳三は、炉の前にすわった。
『私には、茶ができない』
『お喫みになるだけでよろしゅうございます』
『この菓子は?』
『京の亀屋陸奥の松風でございます』
と、まあ、これだけ具体的に言うの珍しい笑。
鳥羽伏見の戦いで破れ、これから京を離れる前に、恋人と一夜を過ごした土方歳三。
そこにまた京、と聞いてざわつく歳三、といったシーン。
もっと知りたい方はこちらをどうぞ。
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で、味のほうですが、うん、思ったより美味い笑!!
あんまり見た目的に美味しそうじゃなかったんで。
歯ざわりはふかふか、甘さ控えめ。シナモン風味の大人のお菓子です。
パンとカステラの間のような不思議な和菓子ですね。
日持ちもまずまずしそうだし、4切れ650円〜値段もお手頃。
歴史ファンには喜ばれる京都土産ですね。
亀屋陸奥
京都府京都市下京区西中筋通七条上る菱屋町153番地
075-371-1447
8:30~5:00
水曜休み