京都の老舗料亭、旅館「幾松」。この名にピンと来る方は幕末ファンでしょう。
桂小五郎の恋人の名前が「幾松」。ふたりが逢瀬を重ねた場所がこちらの料亭です。
が、ついに2020年、この名料亭も閉店となってしまいました。恐るべし新型コロナ。
今回は歴史的価値も高い「幾松」のありし日の姿を紹介しておきたいと思います。
「幾松」への行き方は「京都市役所前駅」、「三条駅」から徒歩5分。
御池通りを北へ、木屋町通りに沿いに入り口があり、そこから細いスロープの奥にあります。
このスロープがいかにも京都風情。
玄関は堂々たる構え。
さすがは老舗。
気分は幕末の志士。
雅、というよりは所々勇ましい意匠が凝らされています。
このあたりも桂小五郎好みだったんでしょうか。
建物だけでも十分価値がある「幾松」ですが、
歴史的事件の現場としても価値があります。
玄関にも鎧兜があったりで武家屋敷によう。
新選組もドタドタと「御用改めでござる!!」って言いながら入ってきたんでしょう。
玄関奥の待合室は一気に洋風。
やっぱりこの時代は和洋折衷が極端で作りがおもしろい。
元は洗面台なんですが、舞妓さん、芸妓さんのうちわが飾られています。
一生のうちに芸妓さん遊びなんて豪勢なことできるのかな笑。
うわーーいかにもな回廊だなー。
幕末の志士が芸妓遊びをしながら、威勢のいい倒幕話をしてそう。
二階建てになっており、二階は個室。
この個室が旅館として営業していたのもいまは昔。
閉店となりましたが、経営権が変わってまたすぐ営業するんじゃないかなー。
だってもったいないもん。
雪見障子が日本家屋らしい。
お泊まり客はここで朝食かな。
さて、「幾松」ではランチで予約する際、見学を申し出ると、桂小五郎の部屋を見せてもらえます。
ここで桂小五郎が志士たちと密談をしていると、新選組が突入。
幾松が桂小五郎を隠し通路を通して、窓の外の鴨川に逃した、という、もう幕末の大河ドラマなら、
ほぼ毎回やってるシーンの現場です。
これは未来永劫残してほしいお部屋です。
この鴨川を泳いで逃げ切ったんだろうなー。
ちなみに夏の床もいい。
お店の人が説明してくれますが、途中でこっちは妄想の世界に入ってしまい、あまり聞いておらず笑。
この屏風を蹴破って新選組が乱入、そのあとはもう、チャンバラ。
桂小五郎と幾松の写真も飾っております。
桂小五郎は京都を追われると、その後兵庫の出石に身を隠し、所帯を持つ。
それでもその後、幾松と復縁するんだから、幾松さんは気丈な女性ですわ。
この書も有名な人だったような。。
ちゃんと聞いとけばよかったな笑。
そしてランチについては後編へ続く。
幾松
京都府京都市中京区木屋町御池上がる