京都の和菓子と言えばきらびやかな数々の名店が思い出されますが、
その中でもナンバーワンの格式、歴史を持つのが「御ちまき司 川端道喜」。
「御○○司」と店名にあるように天皇家御用達です。
なぜ川端道喜が特別なのか、ですが、この店名にもみてとれるようにとにかく天皇家との繋がりが強い。
というのも、応仁の乱後の荒れ果てた御所に毎日餅を届けに行ったり(350年くらい続く)、
御所の修理工事をしたりと、天皇家のために尽力した唯一無二のお菓子屋さんだからです。
創業は1503年、初代は千利休のお茶の師匠、武野紹鴎に茶の湯を学びました。
その後、千利休とも親交を深め、秀吉からもいろいろな免除受けていたそうです。
歴史と格式、常に第一線でやってきた和菓子屋さん、というわけです。
とここまで聞くと、ものすごい店構え、年季の入った本店を想像しますが、
これがびっくりするぐらい店構えが質素。
お店も最寄駅は北山で徒歩10分ほど。まさかこの店があの川端道喜?と驚かされます。
が、この簡素さがまた凄味を感じさせます。
店内もここまで。これより先はもう作業場です。
さて、見ておわかりのようにいきなりふらっと行ってもお菓子が買えません。
まずは電話で予約を。
そして買ってきました川端道喜。シンプルな包装が潔い。
そしてこちらがお目当ての「水仙粽」。
このフォルム。もう明らかに古代感出てます。
逆に現代では思いつかないフォルム。
「粽」歴史は古代中国屈原に発祥するように2300年くらい前。
京都や中国では昔から端午の節句にはこの粽を食べるそうです。
関東の柏餅を食べる文化は江戸時代後期でまだ250年ほどの歴史しかないそうです。
ああ、もう時間が悠久すぎて感覚がよくわからなくなってきた。。
5本1束で3900円。うーん高級品だなー。
もっと詳しく「川端道喜」について知りたい方はお菓子を買うと付いてくるチラシをどうぞ。
もうこれでもかというぐらい、ミッチリ書いてます。
1本はこんな感じ。がっしりと入念笹の葉で巻かれていてもはや工芸品のよう。
この笹の葉の仕入れ1つとってもめちゃくちゃ厳選してそうです。
むきにむいてやっとご対面できた「水仙粽」。
乳白色の半透明はなんとも涼しげ。
厳選した吉野葛と砂糖だけで作っているそうです。
これは確かに現代のお菓子、というより古代のお菓子ですね。
ぷるるんとした食感、かなり控えめな甘さ、清涼感あり。
が、正直、うーん個人的には微妙。。すみません。
が、あんまり味についてとやかく言うのももはや野暮な気がします。
味のむこうにある歴史やバックグラウンドを味わう、というか。。
昔ながらの製法にこだわり、伝承していくという意味では正しいと思います。
川端道喜
京都府京都市左京区下鴨南野々神町2-12
075-781-8117