京都観光と言えば、祇園、嵐山、八坂の塔、と言ったあたりがまずは入門編。
そこから段々とシブいエリアに首を突っ込んでいくと思いますが、
「養源院」は入門編から中級編あたりと言ったところじゃないでしょうか。
京都の観光コースとしては、三十三間堂のすぐ隣なので両方見ておきたいところです。
「養源院」への行き方は、京阪電車の「七条」下車、徒歩7分くらい、
京都駅からなら市バス「博物館三十三間堂前」、「東山七条」下車、徒歩3分といったところ。
三十三間堂はめちゃくちゃ人がいますが、養源院は全然人がいません。穴場です。
小さすぎて最初、実は「ここに本当に俵屋宗達の絵あるの?」と思ってしまったくらい。
俵屋宗達の絵、と言ってもイマイチピンとこない人もいるかと思いますが、見れば「あーこれね!」って感じだと思います。
養源院はもともと淀殿が夫の秀吉にお願いして、淀殿の父、浅井長政を弔うために建てたお寺。
そりゃー側室のお父さんを殺した秀吉としては聞かざるをえないですよね。
その後、豊臣家が滅亡すると、今度は二代将軍徳川家忠の正室にして、淀殿の妹、お江によって再興される。
すごい、浅井家の姉妹が執念で建てたお寺ですね。
淀君、秀吉の子、豊臣秀頼を弔ったお寺でもあります。
と、全然関係ないですが境内は青葉がみごと。これは紅葉シーズンも穴場でしょう。
と、そんな豊臣家とつながりが深いのに、だからこそなのか、有名な「血天井」があります。
関ヶ原の戦いの前哨戦となる伏見城の籠城戦がありました。
これは、家康が関東にいる時に突如、石田三成が挙兵、伏見城を寡兵ながら守っていた鳥居元忠らが死を覚悟して戦う。
結局は石田軍にやられてしまった鳥居元忠率いる徳川籠城軍。
その時の戦闘で血のついた伏見城の床をなんとこのお寺で天井板として使っているというわけです。
実際、お寺を拝観するとお坊さんが長棒で天井を解説してくれます。
この辺りが顔で、ここが手でーと結構さくさく説明されていくのがすごいです。
御察しの通り、撮影NGです。
そして俵屋宗達の絵。これまたユーモアあふれる絵をお坊さんが解説してくれます。
白象や虎、麒麟といった動物園のような絵が続きます。
そのデフォルメされたフォルムはやっぱり一見の価値ありです。
あんなに独特な絵なのに国宝じゃないなんて。。
国宝の基準がイマイチわからない。
ちなみに俵屋宗達の「風神雷神図屏風」は国宝です。こちらは建仁寺にあります。
と、さらに穴場的にあるのがこちらの細い道。奥へ進んでみると。。
後白河天皇の法住陵です。
平清盛や源頼朝と渡りあった天皇です。
なんかもう数メートルで時代が変わってすごいです。
さすがは京都、濃いです。
養源院
京都府京都市東山区三十三間堂廻り町656
075-561-3887