京都は洛北、もはやそこは都の雅な雰囲気はなく、しっかり大自然。
叡山鉄道の市原駅から徒歩10分強、山々に囲まれた農家風の屋敷が「とり料理 瀬戸」。
まわりの点在する民家に紛れ、「まさかここがミシュラン一つ星?」と思わざるを得ない。
一日3組限定。新鮮な鳥を提供するため、店で平飼いしている鳥を、予約の時間を逆算して捌くこだわりよう。
そりゃ新鮮だわ!
デデンとした門構え。ちなみに駐車場も完備なので、クルマで京都観光している人にはもってこい。
電車でここまで来るのはちょっとめんどくさいもんね。
門をくぐるとそこは、田舎のおばあちゃん家のような、田舎の邸宅といった趣。
料理ができるまで、庭を散歩するのもいい。
民芸博物館か?と思ってしまいそうな玄関先。一日3組ということでほとんど他のお客さんに合わない。
まるで農家の邸宅まるごと借り切った気分。うーんおばあちゃんたちは田んぼにでも行ったのかな。
はい、大広間。こちらでいただきます。が、横のテーブルは空き。これまた貸切状態。
まずは先ほど捌いたばかりと思われる鳥さんのお肉を見せられる。
うーんどれもつやつやといかにも新鮮。さっきまで生きてたんだろうなー。なんかすまんね、鳥さん。
ありがたく君をいただくよ。君の膵臓とか肉とかいろいろ食べたい。
モモ肉やササミ肉、ほか、いろいろな部位の肉が並べられております。
と、一旦肉は焼きに入るので、その間、このあたりで採れた、これまた新鮮な野菜を食す。
体にじんわりと染み込む野生の味。
ナスと生姜の一品。胃袋の準備運動って感じ。美味い。
小鉢もいくつもあって歯ごたえや食感も千差万別。ヘルシーっすね。
そして先ほどのお肉が、こんがりと焼かれて再び登場。
美味そうだ。ゴクリ。
焼き鳥はタレもいいけど、こんな新鮮な鶏肉はなんといっても塩でいきたい。
こっちはもも肉やササミなど。弾力があってしっかりとした歯ごたえ。
美味い。さっぱりとした美味さと肉汁。いいなー。火加減も完璧。
新鮮な鳥を熟知している人が作ってる。
昔、高知は四万十川で天然ウナギを食べた。
体が緑がかっていて、見事な天然ウナギだったけど、地元の漁師がそのまま調理して微妙だった。。
焼き加減やタレなど、やっぱりちゃんとした料理人が作らないとダメだなーと痛感したことがある。
その点、こちらのお店は大丈夫です!!
続きまして、鶏鍋用のお肉も御覧ぜよ、とばかりに持って来る。
色味がきれいだ。お肉のほか、内臓系ももちろん入ってきて、鳥一羽丸ごと食べる。
で、きれいなピンク色やオレンジだったお肉があっという間にグツグツに立たせれる。
心の中で鳥に対して合掌。大丈夫、残らず食べて君の生をまっとうさせるよ。
ところで、鍋は鶏鍋としては東京ではあまりお目にかかれない醤油系。つまりすき焼き系。
東京で鳥の鍋というと、白濁スープの博多系のをイメージしがちだけど、案外こっちは醤油系が主流。
牛肉の甘さには合うけど、鶏肉だと弱いんじゃない?と思ったけど、さすがに関西では定着しているだけあって、ちゃんと美味い。
意外なのは漬けるのはウズラの生卵。確かに濃いめのスープに合うかも。
で、締めに鳥雑炊。クーーめちゃ美味い! 鳥のエキス、超凝縮。
あちあちっ、ふー、ふー、ズズーー。熱くても止まらない。
お米もとろとろでもはやスープと言ってもいい。
最後はフルーツでさっぱり。梨を食べると、さっぱりというよりシャっぱりする。
一日三組ということで、田舎の家を貸し切りで野趣溢れる新鮮な料理を食べられる贅沢感がいい。
当然、子供連れでも気兼ねなく食事できるのはほんと親としてありがたい。
京都駅からはちょっと遠いけど、普通の京都観光では味わえない記憶に残る晩餐となること必至。
一味違った京都を味わうにはもってこいの一軒でしょう。
とり料理 瀬戸