京都の手土産、お持たせとして最も名を馳せているのが「鯖寿司」。
その最高峰とされているのが「いづう」の「鯖姿寿司」です。
「いづう」は創業天明元年(1781年)の老舗。
「いづ重」など、「いづ」と付くのはすべてこちらの暖簾分けです。
つまり、京名物の鯖寿司の元祖!これは行かないわけにはいきません。
場所は祇園のど真ん中。祇園四条駅から徒歩6分。
まわりはクラブだらけの、夜の街のど真ん中で営業。
このスタイル、お茶屋やお座敷がたくさんあった時代から続いている、
と思うと感慨深いですねー。
鯖寿司はもともと、京都の町民がハレの日に好んで食べた、
家庭の味ですが、「いづう」がプロの料理として売り出したところ、
お茶屋への名物仕出しになっていったということです。
京都の家庭の味と食にうるさい若旦那たちをも納得させたプロの味が合体。
まさに京都の味の真髄と言ってもいいでしょう。
お持ち帰りする人がほとんですが、店内でも食べられます。
で、実際、ほんとに美味しい!!
個人的には京都に来て大好物になった食べ物第1位です。
第2位がハモ、第3位が稲荷寿司かなー。
鯖は日本海の真鯖。お米は滋賀県産。
寿司全体を包む昆布は北海道の真昆布。
素材のすべてが本物。
単純な食材構成の食べ物だけに、ものすごいこだわってきた結果、
こうなりました、って印象しか受けませんね。
買ってから、どのくらい時間を空けて食べるかで、
味が微妙に変わっていくのも魅力。
製造直後は、鯖、ご飯とも柔らかくあっさり。
3〜7時間後は昆布の旨みが鯖、ご飯に移って味がこなれてきます。
10時間以降は、程よく硬くなり、熟れ寿司特有の風味が完成します。
自分の好みよって食べ分けるのも楽しみの一つです。
ま、ここまでいったらなかなかの通です。よ、若旦那!
「いづう」では、脂の乗った青背の方から食べることをオススメしています。
そこから白身の方に順に食べていくと、さっぱりとした後味とのこと。
確かに。うーん、お酢の酸味と鯖の旨味、お米の甘味が超然一体となって、
この世の食べ物で最高峰の一つだなーと思わずにはいられない。
足がはやい鯖を、なんとか日もちさせるために生まれた調理法だと思いますが、
まさか、こんなに美味くなるなんて!と最初に作った人は感動しただろうなー。
酢につける時間が短いとレアな赤色が強く、長いと白っぽくなる鯖寿司。
個人的にはレアな赤みが残るこのぐらいが好き。
あ、お値段聞いちゃいます?
「鯖姿寿司」4860円也! 高い!! でも仕方ない!
ほか、さらに高い「鯛寿司」5832円なんてのもあり、恐ろしい値段設定ですが、
ぜひ体験してほしい、まさに京都の一品です!