京都の鴨川沿いは夏の川床で有名ですが、ここに店を構えるってことは名店が揃ってるわけで、夏以外もおすすめです。
その一つがすき焼きの老舗「かのこ」。京都だと創業90年くらいだと老舗と言っちゃダメですか。
店構えが持つ雰囲気は老舗感あります。
ミシュランのビブグルマンにも掲載されたこともあり、いい店です。
そう言えば京都ですき焼きと言ったら一番人気の「三嶋亭」ってミシュランに載らないな。断ってるのかな。
「かのこ」への行き方は河原町駅、祇園四条駅からそれぞれ徒歩5、6分。
和風テイスト全開。もはや旅館。
緑色に光るライトがなんとも昭和レトロ。
入ってすぐもう旅館気分。
すみません、大浴場はどっちですか、と聞きたくなる。
別のお客さんと誰とも会うことなく客室へ。
妙なお忍び感あり。
当方、普通に家族で来てます。
そういう意味では子供連れでも気兼ねなく入れるいい店。
眼下には鴨川。夏はここに川床が設置されます。
南座も見えて京都らしさ満点。
ビールを注文して早々にすき焼きが始まります。
関東の割り下はなく、関西らしく鉄鍋に直接牛肉を敷きます。ザラメも思ったより多めに。
ジューージューーと食欲をそそる音。いいですねー。
この焼き味がしっかりあるのが関西風すき焼きの醍醐味。そこが牛鍋と言わずすき「焼き」という所以か。
関東風は割り下で煮る感じが強い。すべて仲居さんがやってくれるので安心です。
ここでお店自慢のタレを投入。
醤油と肉とザラメが焼けるにおい、やばいです。
すき焼きのクライマックスってここなんじゃないでしょうか。
手際よく仲居さんが卵を用意。あとは焼けるのを待つだけ。
ビールをグビ。口の中のよだれをビールのせいにして飲み込みます。
でたーー。食べごろすき焼き爆誕!
牛肉にサシと呼ばれる脂入れて、ザラメかけて、生卵で食べるなんて誰が考えたのでしょう。
こんなこと考えたのは世界広しと言えど日本人しかいません。
かつて「美味しんぼ」の海原雄山はすき焼きを「牛肉を最もまずく食べる方法」と言っていましたが、
自分にはまったくそうは思えません。
牛肉本来の味とはちょっと違うかも知れませんが、たまにめっちゃ食べたくなるほど、悪魔的美味さだと思う。
どっちかっていうとスイーツに近い。
頰張るとぶちゅーっと生卵のしると牛肉のコクのある甘さが広がります。
ゴクリと飲み込む。。美味い。。
子供はそのままご飯に乗せて即席牛丼。
やっぱり海外から来た牛肉文化を、米と合うように考えた日本人ならではの調理法なんでしょうね。
今度は野菜も入れて。
野菜たちよ、牛肉とタレの旨みを吸い込んでくれよ。
豆腐、九条ネギ、玉ねぎ、白滝。肉の味を味わって欲しいので野菜はいたってシンプルに、ということだそうです。
そう言えば関東では当たり前の春菊が入ってない。
関西はあんまり入れないとかあるのかな。
最後は季節のフルーツで。
すき焼きは牛鍋と言いますが、鍋にしては珍しくシメの雑炊やおじやがない。
割り下のある関東風でしかできないか。ここ、誰か開発してくれないかなー。
ニンニク入れてガーリックライス風おじやとか。チーズ入れたらリゾットみたいで美味いんじゃないか。
が、なんかもはや和風の風情がないしなあ。
割下とお肉でラスト蕎麦とかいいと思うんだが。でも牛肉のエグ味すごそう。
ぜひともどなたか開発してほしいです。
かのこ
京都府京都市下京区 四条下
075-351-0709
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