京都発祥のものはとにかくたくさんありますが、にしんそばもその一つ。
創業1861年(文久二年)の「松葉」の二代目が明治15年に発案しました。
実はこの「松葉」、新幹線の改札内にもお店があるのですが、ここはせっかくなので、やっぱり本店に行きましょう。
「総本家にしんそば・松葉」への行き方は祇園四条駅から徒歩1分!
というか地下鉄上がったら目の前です。
隣は南座。というかもう南座の一部みたいな感じになっております。
店構えは昭和レトロで雰囲気あります。
京都はうどん文化圏なのに、これだけ京都の一等地にそば屋があるってのもなんだか不思議。
江戸文化として花開いた歌舞伎だけに、歌舞伎役者が「そば食いたいよー」とか言ったのでしょうか。
ちなみに歌舞伎の祖、出雲阿国の像が「松葉」のはす向かいの鴨川沿いにあります。
最初は遊女歌舞伎と呼ばれ、ちょっとエロス気味だったそうです。
まーいきなり超ブームになったって、やっぱりそういうのがあると早いですよね。
風紀を乱さないため、歌舞伎は男のみならOKとなったとのこと。
そういうことだったのね。
店内もレトロ。おしゃれって感じではない笑。
学生さん、老夫婦、ファミリーなんでもござれ。
誰もが気兼ねなくくつろいでおります。
眼下には四条通りと川端通りの交差点。
奥には鴨川、対岸には夏に床を出す飲み屋の数々。
京都の繁華街の風景です。
はい、出ました「にしんそば」。なんともシンプル。
身欠きニシンはどんぶりの中に沈んでいます。
するするーーっと入ってくる細めの麺がシンプルに美味い。
身欠きニシンの甘辛さに対抗すべく、京都ではめずらしいちょっと濃いめのツユ。
ちょっと関東風じゃないですか?
やっぱり江戸の歌舞伎役者が求めた説、個人的にかなり有力になってきました。
公演前で時間がない江戸出身の歌舞伎役者。
「こんな時はするするっと蕎麦でもすすりてえもんだ。お、身欠きニシンもいいねえ。でも時間がありゃしねえ。
そうだ、せっかちな江戸っ子らしく、ドボンと丼の中にニシンを入れてみたら、どーでぇどーでぇ、うめえじゃねーか!」
みたいなことがあったんじゃないかと想像してしまう。
唯一、京都らしさを感じるのはやっぱり薬味の山椒。これで京都味の世界に戻されます。
お土産コーナーも充実。まー買い求めやすい。
が、あまりに一般化してるので「にしんそばって京都の松葉ってお店が発祥でそこ行ってきたのでこれお土産」
と一言添えないと、「なんで京都まで行ってお土産がにしんそば?」てなことになりそうなのでご注意を。
総本家にしんそば・松葉
京都府京都市東山区四条大橋東入ル川端町192
075-561-1451