京都のすっぽん鍋=まる鍋と言えば「大市」。京都人も認める押しも押されぬ老舗です。
創業は元禄年間、340年18代にわたる歴史はもはや世界の料理界の巨人です。
憧れのお店。最初に知ったのは「美味しんぼ」3巻です。
金の鍋を自慢する大企業の社長に、何度も火にかけ、鍛えあげた鍋のよさを教える回。
そのモデルとなった店が実在すると知ったのは後年のこと。それが「大市」。
その日から憧れのお店となっていたのでした。
さてさて、高鳴る胸を抑えつつクルマでお店に向かう。
このあたりは住宅が密集しているエリアなのに駐車場がびっくりするくらい広い。
さすが名店。
バスで行くと京都駅から市バス206乙で20分ちょいで「千本出水」下車、そこから1、2分です。
駐車場から北へちょっと歩き店の前へ。
威風堂々。いやーかっこいい。その佇まいにシビれます。
柱には刀傷も。幕末の志士が付けたものだそうです。
店内ももはや時代劇。
中庭を見ながらお部屋へ通されます。
ちらりと見えた土鍋。あれかー。あれが「美味しんぼ」に出てたやつか笑。
1600度にもなるコークスで一気に炊き上げるため、割れてしまう土鍋がある中、
生き残った鍋はすっぽんの味が染み込み、水だけでも旨味が出る、というエピソード。
本当なのかなー。
さて、部屋に通されいよいよまる鍋、始まります。
まずはすっぽんのスープ。
水としょうがとすっぽんだけだそうです。うー美味い。
シンプルに日本人が好きな味。深い味わいなのにスッキリしてる。
これぞすっぽんスープの真髄といった感じです。
続いて来ました、土鍋。ひび割れしてるあたりが「美味しんぼ」のエピソードを思い起こさせます。
そして一気にすっぽんを熱していきます。
沸騰するスープがいかに高熱なのかがわかります。
すっぽんは浜名湖産の養殖。天然物は品質が安定しないので、確かなところとよりよい品質を求めている、
という感じなのでしょう。
ゼラチン質を多く含むすっぽんの肉。
ぐう、美味いっ。。さっぱりとした肉なのに奥行きのある味。
滋味溢れる、とはこのことか。
ハフハフ、貪るように食べてしまった。
はしたないのはわかってますが、すっぽんの骨があまりに個性的だったもので。。
これはなかなかお目にかかれない骨だ。
お楽しみは続きます。
まる鍋と言えば、そりゃーもう「まる雑炊」です。
健康そうなオレンジ色に輝く玉子がまた食欲をそそる。
それをぐちゃぐちゃーっとかき混ぜます。
よだれが出る演出。
憧れのまる雑炊。半熟の玉子も残る絶妙な火入れ。
もはや蠱惑的。そりゃーもう陶酔レベルで美味しいです。ふわあ。
すっぽんがもっと安くて手軽に食べられる食材だったらいいのになー。
大市
京都市上京区下長者町通千本西入ル六番町
075-461-1775