創業400年以上の老舗料亭旅館「山端 平八茶屋」。
岩倉具視、夏目漱石、北大路魯山人ら食通や文化人、政治家までを魅了してきた名料亭です。
と、前回、名物麦飯とろろをご紹介したものの、実はもう一つ、お目当てがありました。
それが「かま風呂」ですっ!!
こっちはかなり隠れた名物と言える代物です。
壬申の乱の時、大海人皇子(後の天武天皇)が背中に矢傷を負って、この近くの村人たちが、
室(むろ)を作って温め、治癒したそうです。
もうちょっと北に行くと「八瀬」という地名がありますが、昔は「矢背」と書いたそうです。
また、風呂(ふろ)はもともと室(むろ)から来てるそうです。
なんか、まーいろいろ勉強になりますね笑。
という訳で「平八茶屋」。料亭旅館としてこんなにも美しい庭園を所有してますが、
かま風呂も入れるというわけです。
が、気をつけるべきは食事をしたお客さんのみ、利用可能ということ。
なので、個室利用の懐石料理もいいですが、もし、かま風呂を安く利用したい、
ということであればランチの「麦飯とろろ膳」3500円がオススメです。
これプラス1000円の「かま風呂」のお一人様4500円が最安値の組み合わせでしょう。
先にご飯か、かま風呂か、が選べます。
昔の旅人のパターンだと、まずかま風呂に入って汗を落とし、ゆっくり食事、
というのが定番だったそうですが、今回は腹が減ってたので先にランチを食べてしまいました笑。
で、お庭を散策していよいよかま風呂へ!
満を辞して行くと、なんと貸切っ!! 男女別でそれぞれ一棟貸切とは贅沢。
いまどきあんまりみんな興味ないみたい。
家族三人で二棟、自由に使えます。
はい、こちらが「かま風呂」。確かに完全に「かま」ですね。
なんだか窯のような、それでいて神道の儀式に使いそうな不思議な物体。
おもしろいな。
脱衣所広々。これはありがたい。
ドライヤーや洗面台、トイレ、湯船も完備。
これで1000円って安い。
実は池の上にせり出した建物なので、下には鯉が泳いでいます。
なんだか不思議な空間だなー。
もちろんバスタオル、小さなタオルも完備。
こういうのレンタル代としてお金取るとこあるけど、ここはナシ。
ちょっと変わってるのが、こちらの枕。
磁器でできております。固い。けどコリコリして気持ちいい。
脱水症状にならないよう水も完備。
何かあった時用の電話もスタンバイ。
なんだかすごい熱いの?っとちょっとビビる。
はい、じゃーいよいよ行きますかー。
なんかちょっと緊張する。
中はこんな感じ。
閉所恐怖症の人はやっぱりダメですかね?
温度はだいたい50度くらい、だそうですが、この日は40度くらいじゃないかな。
汗をかくほどじゃなくて、じんわりとあったかい感じ。
これなら何時間でもいられそう。
冷え性の人にはいいでしょうねー。
これってよく考えたら岩盤浴じゃないですか。
こんな昔から日本人は岩盤浴してたんだなー。というか、むしろ貴重なお湯が使えなかった昔の日本、
って考えるとむしろこっちのほうが一般的だったのかな。
最後はそのまま湯船につかってさっぱり。
京都の地下水を使ってるので、なめらかな肌触り。
シャンプーやボディソープも完備で、しっかり日帰り温泉しました。
外に出ても真冬でもポカポカ。
しばらくコート要らず。
最後に売店で「麦とろ饅頭」をお土産に買って帰るのも乙なものです。
食事からお風呂まで、身も心も文字通り温かくなって、楽しく堪能させていただきましたー。
山ばな 平八茶屋 京都府京都市左京区山端川岸町8-1
TEL:075-781-5008