京都人は本音で話さない? −京都人の性格について−
東京から京都へ移住した。
憧れの京都についに!というわけでもないが、とにかくそうすることになった。せっかくなので、京都移住のいいところ、注意点、気になったところを書いてみることにした。京都にいつかは住んでみたい! または、かなり本格的に京都移住を考えている方に少しでも参考になればと思う。
まず、京都に移住した、と言うと、とにかく聞かれるのが「京都人ってやっぱり本音を話さないの?」とか、「京都人って冷たいの?」とか、「ぶぶ漬け文化って本当にあるの?」って質問。ちなみにぶぶ漬け文化とは、京都人の家にお邪魔している時、「ぶぶ漬け(お茶漬け)食べはります?」と聞かれたら、帰れって意味で、京都人の気質を表した有名なエピソード。そして、そういう京都人っぽい性格を「いけず」と言う。
では、実際どうなのか。
結論から言うと「そんな人も確かにいる」だ(笑)。
同じく東京から京都へ移住した友人の話。
東京生まれの友人、会社の先輩2人(2人とも京都人)で、京都の定食屋でランチを食べていた。店内は8割の席が埋まっているが、満席ではない。ランチを食べ終えた3人は食後の談笑。そこへ店員さんがお茶のお代わりを出しながら、「ごゆっくりどうぞ」と言った。すると、京都人の先輩2人は「じゃ、そろそろ出よっか」と言ったそうだ。友人は「ええ? 席も埋まってないし、店の前で待ってる客もいない。お茶をもう一杯出してもらってるし、なんで!?」となったそうだ。そりゃそうだ。東京の人間からすれば至極真っ当な反応。
が、そこは京都。お茶を出した店員の意図は「そろそろ出てください」で、京都人2人はそれを察したというワケ。
こんな話は京都にいると、たまーーーに聞く。どのくらいたまにかというと1年に一回ぐらい。つまりほとんど聞かない。実際、自分はそういう経験がほとんどない。ほとんど、と書いたのは、本当はそういう目に会ってるかもしれないが、気づいてない可能性があるから(笑)。
もう一つ、今度は京都人側から。
京都生まれ京都育ちの女性の話。
その女性が大学生のころ、京都を出て福井の大学に行くことになった。友達に、「お菓子食べる?」と言ったら友達も「うん、ありがとう」と言って食べたことにちょっと軽いカルチャーショックを受けたそうだ。
どういうことかというと、京都ではこういう場合、最初は遠慮して断る。それでも言ってくれたら、お菓子をもらうそうだ。
この話を聞いた時は、こっちこそカルチャーショックだった(笑)。
同時になるほどなーとも思った。
おそらく京都のみなさんは、ベースとして慎ましい作法やマナー、考え方が幼少のころからの環境で身についている。それは多分、昔の日本人が持っていた美学というか。直接、それを相手に言うのは失礼とか、お菓子をもらうにしても、すぐもらうのは失礼、とか。京都以外のほかの地域に住む人が、けっこうもう忘れており、また、それが日本の主流になっている現代において、京都人は若干、まだその文化を保ち続けている人が多いかな、と言った印象。
が、こういう話もたまーーーにしか聞かない。
どのくらいたまにかと言うと、東京に住んでてたまーーーに聞く「あの人、昔ヤンキーだったんだって」って話ぐらい。
今の世の中、ほとんど聞かない絶滅危惧種のヤンキー。いけずもけっこう絶滅危惧種なんじゃないかなー。ま、逆に京都にヤンキーけっこういるけど(笑)。
という訳で、京都に住んでみたいけど、京都人の排他的なイメージが怖い、なんて人はそんなに怖がらなくて大丈夫。が、そういう人がゼロではない。なので、そういう話を面白がって聞くぐらいがいいと思いますね。