京都の老舗おばんざい居酒屋「めなみ」でやっとおばんざいを美味しいと思った話。
京都は三条小橋のすぐ近く、木屋町通り三条上ルにある「めなみ」。
まー古くからの繁華街の一等地。どのくらい古くからというと、なんてったって、
数軒先がかの池田屋であって、幕末期は土佐藩邸やら長州藩邸も近く、
幕末の志士たちが行き交う飲み屋街ですからね。
そんな繁華街の一等地に、創業70年の「めなみ」はある。
おばんざいのお鉢をカウンターに並べるスタイル発祥の店らしい。
居酒屋作家の太田和彦もよく京都の居酒屋の名店、として何度か書いてる。
というわけで、まー京都を代表する居酒屋に行ってみました。
居酒屋といっても、いわゆるサラリーマンガヤガヤ、
値段も飲んで食べて3000円、とかそういうノリじゃありません。
もはやどちらかというと、関東の感覚では小料理屋と言ったほうが近いかも。
枝豆はだだちゃ豆だし、普通にハモの落としはあるしで、高級食材もきっちり食べられる。
外観も居酒屋、というにはちょっと敷居は高い。まー見た目も完全に小料理屋ですね。
中は、一階はおばんざいの入った大鉢が並んだカウンター、テーブル席が4卓ぐらい、
今回は二階へ。ここは10畳ぐらいの広さの座敷で、小さいテーブルが5卓ぐらいかな。
他にも個室があるっぽい。
敷居が高い、とは書いたものの、そこまでは高くないのでご安心を。
むしろ、接客は感じがいい。
お通しはゴーヤのおひたし。かつお節が効いてます。ゴーヤと合わせるあたりセンスいいです。
まずはおばんざい盛り合わせ。これは必須で注文すべきメニューでしょう。
なんてったって、京都のおばんざい、といういまや全国の知名度の京都名物の発祥の店ですから。
しかも、1500円ぐらいでコスパもよし。で、実際、美味い!!
これ、おばんざいレベルじゃないよな。おばんざいってもともと家庭料理で、
しかも、食材を余らせないように、みたいな発想から生まれたものらしいけど。
京都の著作多数の柏井壽も、おばんざい料理なんて京都人は外で絶対食べない、的な全否定だったけど。
家庭料理的なおばんざいと、老舗居酒屋のおばんざいはもはやクオリティが違う気がする。
まー器もキレイだなー。「うつわ みなみ」っていうお店もやってるらしいしね。
やっぱりこの時期頼んじゃうハモの落とし。これを食べると夏だなー。
ズイキ。これも京都らしい一品。じんわり美味い。さすがに有名店だけあっていちいち美味い。
スモークポテトサラダ。これは意外に燻製っぽさが弱く、マヨネーズベースのタレ?が強すぎて、
素材の味が引き立てられてなかった。
が、トータルではさすがに美味しかったです。
というか、京都のおばんざいでしっかり美味しいと思ったの初めてかも。
おばんざいを売りにしている、よく京町家をリノベーションしたような店、
いわゆる観光客向けの店のおばんざいとは明らかに別物。
また、京都人が家庭で食べてきたおばんざいとも違う、
京都人向けの外食用のクオリティのおばんざいなんじゃないでしょうか。
だから、こんな歴史的繁華街の一等地で70年もやってこれたんじゃないのかなーと。
御料理めなみ
〒604-8004京都市中京区中島町96 (木屋町三条上ル東側)
電話 075-231-1095
営業時間17:00~23:00(オーダーストップ22:30)
定休日 日曜日(日曜日が祝日の場合は翌日の月曜日が定休日)