【常照寺】京都であじさい寺の隠れた名所は吉野太夫のお気に入り。
京都のあじさいの隠れた名所と聞いた洛北、鷹峯の「常照寺」。
このあたりは電車で行くのはほぼ不可能。最寄駅から徒歩40分はかかりそう。
市バス「現行庵前」下車徒歩2分。
このあたりは光悦村と呼ばれます。徳川家康が1615年に本阿弥光悦に土地を与え、
本阿弥一族が移り住んだことから光悦村と呼ばれるようになったエリア。
芸術家であった光悦、ほかの芸術家たちも移り住み、まさに芸術村となったようです。
いいですねー。自分がこの時代に京都に住んでいたら、ぜひここに住みたい。
さて、話を常照寺に戻しましょう。
常照寺には駐車場があるので、クルマで行くと便利。
クルマを停め、常照寺の山門まではいい感じのスロープ。
参道を歩いて行くと、赤い門が。
緑にシブいレンガ色の山門。どことなく祇園の「一力亭」のようなカラーリング。
雅な雰囲気だなーと思っていたら、こちら吉野太夫が寄贈した「吉野門」というそうです。
吉野太夫とは、遊女の最高位に与えられる称号。
芸事はもちろんのこと、賢さや人間的な魅力も兼ね備えてなければなれない職業。
まー今で言えば銀座のママとして世間に名を知られるくらいできる女、ってことでしょうか笑。
そんな吉野太夫が愛したお寺だけあって、どこか寂しげで優美。
しっとりした雨がよく似合う境内。
あじさいの隠れた名所としても知られ、洛北の通好みのお寺です。
あじさい以外の花も一年通じて咲き誇るお寺。
竹垣が整備され、苔も美しく、さすが芸術村、全体的なセンスの良さを感じます。
こちらの広場は春になると桜が見事だそうです。
人もほとんど来ないので、コレは隠れた桜の名所になりそうです。
苔の絨毯も見事。全体的にたおやかな雰囲気を感じるお寺だなー。
って完全に吉野太夫の刷り込みが影響しちゃってます。
毎年4月の第二日曜日に吉野太夫供養があるそうです。
さてさて。ところであじさいの隠れた名所って聞いてるんだけど。。?
あじさい、どこ!?
ひなびた雰囲気は十分堪能したから、いい加減、あじさい見たいぞ。
あ、あった!! ってもうすでに散ってる気が。。
やっちゃったのか!?
はい、このあたりがあじさいの名所!!
そうです、やっちゃいました!
訪れたのは7月1日。完全に遅かったようです。
このへんにあじさいが咲き乱れてたっぽいです。
確かにしんみりとした雰囲気で、あじさいが咲いていたら美しいでしょう。
若干、あじさい残ってます!!
このあじさいが満開だったらそりゃー絵になったでしょうね。。
花の命は短し。急げよオレ。。
また来年来るかー。
もう気を取り直して「常照寺」の散策を続ける。
案外広く、人もおらず、癒しのお寺なのは間違いない。
こちらの池にはある珍しい生き物が誕生する。
それがこのモリアオガエル。そう、この泡みたいのが卵。
ほとんどのカエルが水中で卵が孵化するのにこれは珍しい。
境内に戻る。
苔むした境内にポツンと置かれた瓦。さすが芸術村。
何気ない配置にアートを感じます。
しかも、ウサギの瓦ってのがかわいい。
しかも、波の上にいるウサギ? なに? 因幡の白兎?
と、あれこれ塑像させるあたり、おしゃれだなー。
吉野太夫ゆかりの茶室遺芳庵。
そりゃ芸事は完璧な遊女のトップですからね。お茶くらいお手の物でしょう。
竹垣が質素でありセンスよし。
「光悦垣」で有名な本阿弥光悦とも親交があったそうです。
こちらが吉野太夫のお墓。
山門を寄贈したり、お墓もこちらにしたりで、相当ここが好きだったんでしょうね。
14歳で大夫になり、38歳で亡くなったそうです。
安らかに眠ってください。
常照寺
北区鷹峰北鷹峰町1
075-492-6775