【志る幸】京都的魅力を凝縮した和食の名店は、誰もが納得の高コスパランチ。
京都、河原町通りから木屋町通りへ抜ける細い路地にある「志る幸」。
今も昔も飲み屋街片隅に突如歴史を感じさせる風情ある佇まい。
京都観光に来たなら、こんな店でランチをしてみたい、と思わせるに十二分の理由のある和食の店です。
河原町駅から徒歩2分。ほんとに細くて短い路地。
イメージで言うと歌舞伎町に突然、老舗の佇まいのお店がある感じです。
昭和九年創業。京都ではまだ老舗とは言えないですが、風格あり。
店名の由来は昔、平安時代に「汁講」と呼ばれた宴があり、質素を旨とした会で、
参加者はごはんを持ち寄り、ホスト役は汁だけ供したことに由来。
お味噌汁、汁好きとしては大好きなお店です。
そしてこちらのお店がある場所がまた歴史ファンにはたまらんのです。
なんと、あの勤王志士、古高俊太郎が「桝屋」を構えた場所。
ここに武器を大量に集めていたところ、新選組の御用改めに遭って捕まってしまう。
拷問を受けて、意識がもうろうとしたところ、近く志士達の会合があることがバレてしまい、
あの池田屋事件が引き起こされる。。
と、もう歴史ファンなら汁を飲む前からよだれが出てしまうエピソード付きのお店なのです。
このあたりを、坂本龍馬が、久坂玄瑞が、土方歳三が行き交っていたんだよなーと感慨もひとしおなのであります!
と、話を現代に戻しましょう。
「志る幸」は予約を受け付けておりません。
休日の12時ちょっと前くらいに行ったところ、15分ほど待つとのこと。
その間別室に通される。
外で並んで待つのではなく、ちゃんと待合室があるなんて、ありがたい。
しばらくして食事エリアへ。
カウンターの奥は畳というおもしろい構造。
しめ縄もあって、不思議な世界観。
能舞台をイメージしているそうです。なるほど。
これはおもしろい趣向です。
カウンター席の後ろには、カウンターテーブル席も。
橋の欄干のようなデザインもおもしろい。
不思議な建物だなー。
三和土のほうがお客さんの席で、畳のほうがお店側のエリアとなんだか逆転してます。
でもとても雰囲気がいい。
さてランチ。利休辯当2500円也。
汁る幸、と聞くと「汁」が命、と思ってしまいますが、なかなかどうして、汁意外も全然美味しい!
炊き込みご飯に焼き魚、鶏肉、茹で玉子、どれもとても丁寧な仕事ぶり。
この値段でこの雰囲気、このクオリティはかなり良心的です。
焼き魚はふっくら〜。
皮のパリッとした食感と焦げ味が美味。
茹で玉子、うーん濃厚。
これはたぶん、鶏卵がすでに選りすぐりのエリートだからだと思います。
アナゴ大好きな子供はアナゴ丼。
でも、みんなでわけわけして食べる。
どんな味か大人も子供も知りたいじゃないですか。
さて、自慢の汁。鯛やハモ、イモなどいろいろ選べますが、基本のお豆腐で。
うん、京都らしく白味噌で上品。
美味しいです。
豪華過ぎず、でも和食のすばらしさを堪能できるいい店です。
もう老舗の名店と言われるのは時間の問題かと思われます。
志る幸
京都府京都市下京区西木屋町四条上ル真町100
075-221-3250