【桂離宮】京都が誇る日本建築の美を感じるテーマパーク。【後編】
桂離宮案内、その3です。
小ワザが効いた「笑意軒」の紹介の続きです。
襖の意匠、障子下のデザインなど、随所に趣向を凝らしています。
佇まいは一見シンプルなくせして、実はあちこちクセがすごい。
こっちの引き戸の取手は弓矢のデザイン。
斬新だなー。
これだけ見どころがたくさんある桂離宮ですが、実は国宝ではありません。
その理由は、皇室の財産だから。管理は宮内庁の管轄です。
文部省管轄の国宝はいらないんでしょう笑。
国宝となると、管理をしっかりしなきゃならないんですが、もう宮内庁が十分管理しております。
そして、一応天皇家の財産なので、公開義務のある国宝の称号はいらないんでしょうね。
縁側の木の木目もおもしろいなー。
とにかく一軒の家に使われてる素材の数、ハンパないです。
続きまして、やっと登場、桂離宮のメイン、古書院、中書院、楽器の間、新御殿。
このジグザクに連なったカタチがカッコいい。
床下の白壁が高く、建物全体を地上から浮かせた佇まいも優美。
段違いとなった入母屋造りの屋根が連なる姿が美しい。
障子の外側に縁側を作らず、まったく中が見えないのも高貴な印象。
建物内には狩野探幽の襖絵などがあるそうです。
古書院の月見台。
ここから正面に月が見えるそうです。
ここでお酒飲みながら見る月は格別でしょうね。
桂離宮、最後の茶屋「月波楼」から池をのぞむ。
「松琴亭」が冬向きの茶屋なら、こちらは夏向きの茶屋。
こっちのが日当たりいいけど笑。
までも。この開放感はたまりません。
いや、でもこれだけ日光入ってきたらやっぱり夏暑いでしょう笑。
池の上で冷やされた空気が涼しいことを祈る。
貴族趣味の中にきっちり茶道的美意識が。
利休好みの茶室。時代ですねー。
それにしてもこの開放感はどうでしょう。
さっきの日の当たりすぎる部屋は遠慮して、夏はこのあたりに腰掛けたい。
ここでかき氷食べたい。
なんでこんな複雑なカタチで、いろいろな素材が使われてるのに、こんなにも統一感があるんだろう。
やさしい色味、やさしい風合い。心和みます。
そんなに高価な材料に見えないけど、高価なんでしょうね。
そんなに匠のワザとかなくても作れそうなんだけど、超絶技巧があるんでしょうね。
最後のは松。
サイドを遮って、この松だけに目がいくように、視線を誘導しています。
何も言わないんで、感じてください、そんなメッセージが伝わる宮殿でした。